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メールマガジン

「借地権の取引慣行があると認められる地域」の意義

2019年05月09日
おはようございます!

 

税理士の松嶋と申します。

 

 

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い

 

とおっしゃる税務調査に対し、

 

勇気をもって戦えるノウハウを

 

解説しております。

 

 

 

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

 

 

税務調査について分かりやすく

 

解説していきます。

 

 

 

 

 

 

 

それでは、第二百十二回目。

 

 

 

テーマは、

 

 

「「借地権の取引慣行があると認められる地域」の意義」です。

 

 

 

 

相続税の申告の際、悩むことの一つに、

 

 

「借地権の取引慣行があると認められる地域」

 

 

という用語の意義があります。

 

 

 

相続税については、土地を借りている場合、借地権という土地を使用する権利を

 

相続財産として申告しなければならない場合があります。

 

 

 

 

具体的には、借地権という財産があると認められる場合には相続税の申告が

必要になるとされており、その判断として、

 

 

土地を借りている地域において、借地権を取引する慣行があるかどうか

 

 

を判断することになっています。

 

 

 

取引する慣行があれば、借地権は財産と認められることから、

原則として借地権を相続財産として申告しなければなりません。

 

 

 

なお、借地権とは一般的に、土地を借りる時の権利金を意味すると言われます。

 

 

 

 

地域によっては、土地を貸す際、借手がつかないため権利金を

取れないことが多くあります。このような場合には、

 

 

そもそも借地権という財産があるとは言えないため、

「相続税の申告に含める必要はない」

 

 

このような考え方から、取引慣行のない地域における借地権は評価しない、

という取扱いが設けられています。

 

 

 

ここで問題になるのは、何をもって取引慣行のない地域と言えるのか、

明確な指針がないことです。

 

 

 

相続税の通達や法律を見ても、借地権の取引慣行のない地域は

どこになるのか、明確に書かれていません。

このため、以前受講したセミナーでは、その地域に住む方の感覚として、

土地を貸すのに権利金を取らないことが多い地域であれば、

借地権の取引慣行あると認められる地域として借地権を相続税

において申告せずとも許されると考える税理士も多いようです。

 

 

 

 

しかしながら、この「借地権の取引慣行があると認められる地域」については、

 

 

個人の感覚といったあやふやな基準で判断するものではなく、

明確な基準が実は存在しているのです。それは、

 

 

路線価図・評価倍率表です。

 

 

 

 

毎年国税から公表される路線価図・評価倍率表をご覧いただくと、

 

 

「借地権割合」という割合が記載されています。

相続税で申告すべき借地権の評価額は、土地の価額に、

 

この借地権割合を乗じて計算することになっています。

 

 

 

例えば、相続税の評価額が100で借地権割合が30%の土地を

借りたのであれば、原則として30の借地権を申告することになります。

 

 

 

 

借地権の取引慣行がない地域については、借地権を評価しないと

されていますので、借地権割合が記載されていない地域がこの

借地権の取引慣行がない地域に当たります。

 

 

 

 

言い換えれば、個人の感覚として土地を貸す際権利金を取れない

地域であったとしても、路線価図・評価倍率表に借地権割合が

記載されている以上は、借地権として評価し、相続税で借地権の

申告をしなければなりません。

 

 

 

 

この点、言われてみればなるほど、といったところですが、どういう訳か

この常識的な取扱いについて、通達や法律に明記がありませんし、

税理士のブログなどでもあまり取り上げられていません。

 

 

 

 

国税の実務対応がどうなっているのかイマイチ分かりませんが、

少なくとも税理士の感覚で決まるようなものではありませんので、

注意する必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

それではまた来週!!

 

 

 

 

追伸、

 

 

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