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「三種の神器」は贈与税非課税!?

2019年05月07日

おはようございます!

東京税経センターの徐です。

 

10連休は如何お過ごしでしたか?
新元号【令和】もスタート、連日連夜
のニュースも新聞も令和一色。
 
そんな中、長期休暇には全くの不慣れで、
確信犯的なブラック企業育ちのワタクシは、
もう早く事務所に行きたくてウズウズして
しかたない連休後半戦でした・・・
 
さてさて、
連休中の天皇退位・即位のニュースを見て
いてふと気になったネタを少しばかり。

天皇家において代々皇位と共に伝わる由緒
ある品々のことを「由緒物(ゆいしょもの?」
と呼ぶそうで・・・
 

その代表的なものが「三種の神器」(八咫鏡
やたのかがみ、草薙剣くさなぎのつるぎ、
八尺瓊勾玉やさかにのまがたま)で、テレビ
でご覧になった人も多いことでしょう。
 

金曜メルマガの刀剣シリーズでもお馴染み
ですが、刀剣も国宝級は何百万円・何千万円
もするシロモノです。
 

ましてや神器と呼ばれるくらいの一品。
その金銭的価値たるや・・・・・?
 

あれ?
 

生前退位に伴ってこれら宝物を新天皇に
譲るということは贈与だよね??
 

税金はどうなってるの???
 

と、仕事したくてウズウズしていたので、
「八咫鏡」ならぬ「税理士鑑ゼイリシノカガミ」
となるべく調べてみたのでした。
 

と思ったら、ちゃーんと新聞に出ている
ではあーりませんか。
 

↓↓↓
 

毎日新聞:皇位の証し「三種の神器」贈与税は非課税に
https://mainichi.jp/articles/20190501/k00/00m/040/201000c
 

と、ここで終わってしまっては「税理士鑑」
の名が廃るってもんです。
 

もう少しだけ追記。
 

三種の神器などの由緒物は歴代天皇の即位に
伴って脈々と受け継がれてきたものです。
 

従前は、前天皇崩御→新天皇即位 ですから、
つまりは由緒物も通常の相続として継承され
てきたものです。
 

相続は天皇家といえど特別ではなく、私たち
と同じように相続によって財産が受け継がれて
きたことは間違いありません。
 

しか~し!
 

相続税法12条では以下の6つの非課税財産を
定めています。
 

①皇位継承で皇嗣が受けたもの
②墓所、霊廟、祭具などに準じたもの
③公益事業を行う個人が相続し公益事業のために
使用することが確実なもの
④地方自治体の障害者共済制度による給付金の権利
⑤保険金の一部
⑥退職手当の一部
 

相続税法12条:
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000073#135
 

う~ん、やっぱり特別なのネ。
とはいえ、これは税理士にとってほぼ常識。
 

しか~し!しか~し!!
 

この相続税法12条の規定はあくまでも「相続」
の際の話です。今回は生前退位に伴う新天皇の
即位ですから明らかに「贈与」。
 

さてどうなる??
 

法律に規定がなければ、天皇家といえども
我々一般人と同じく贈与税を課さなければ
なりません。当たり前です。
 

そこで、国はちゃーんと特例として手当て
をしていたんですね。
 

--------------------
皇室典範特例法附則7条(贈与税の非課税等)
 

……皇位の継承があった場合において……
皇位とともに皇嗣が受けた物については、
贈与税を課さない。
 

2 前項の規定により贈与税を課さないこと
とされた物については、相続税法……の規定
は、適用しない。
--------------------
 

ちなみに、
この特例法の国会成立は平成29年6月9日。
 

これにより、今回の贈与で新天皇が継承した
三種の神器を始めとする財産は無事に非課税
となりましたとさ。
 

うーむ。
 

令和でもタメになりますな。TZC!
 
 

来週もお楽しみに!!

みつかる