おはようございます!
東京税経センターの徐です。
最近おせちをつまんでいたかと思ってたら
あっという間に3月に突入です。
確定申告シーズン真っ最中。
世の税理士事務所に春はまだ来ません・・・
さて、
税理士には3月15日を過ぎれば温かい春が
訪れますが、生保業界は厳しい真冬の時代に
逆戻りしてしまうかもしれません。
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2017年に販売開始された業界トップ日本生命
のプラチナフェニックスという保険商品。
契約当初10年間は病気死亡では保険金が出ない
という生命保険(?)です。
死亡保険金が出ないのに保険料は超高額。
解約時には払込保険料の85~95%程度が
解約返戻金として戻ります。
払込保険料のほとんどが解約返戻金で戻る
んだから、経費じゃなくて保険積立金。
と考えるのがフツーですが、法律・通達を
徹底的に分析して全額経費として処理できる
ように設計された、正に節税目的のみのため
の生命保険商品でした。
いや、もはや生命保険ではないのでは?
とTZCでは首をかしげてお客様には
ほとんど提案をしていなかった商品です。
でも、ニーズはあります。
そこで、ニッセイのプラチナフェニックスに
追随して、生保各社はこぞって似たような
節税商品を開発し販売競争を繰り広げていました。
さて、案の定の事態が起こります。
国税庁は2/13に開催された税制研究会に
生命保険会社全41社を緊急招集。
節税目的だけのために開発された
ふざけた生命保険(?)を一喝、
「いい加減にしろ!!」
と鬼の形相で迫ったところ、恐れをなした
生保各社の中には翌2/14に即座に販売停止
したところもありました。
ニュースでも大々的に取り上げられたので
ご存知の方も多いのではないでしょうか?
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41221200T10C19A2MM8000/?n_cid=DSREA001
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO41869620Y9A220C1EE9000
「保険会社の経営として美しくない!」
「節税保険というのは幻想だ!!」
金融庁も怒り心頭のコメントを出します。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO41869620Y9A220C1EE9000/
日本企業では最も数の多い3月決算法人に
対して駆け込みで販売をしようとしていた
生保各社や、新しい商品のリリースを準備
していた生保会社も、このあおりを受けて
一斉に販売停止です。
こうして、
生命保険各社の法人全額損金商品には
終止符が打たれることになりました。
次の話題の焦点は、
「既に契約した保険はどうなるのか?」
という一点です。
怒髪天を貫いた国税庁は果たしてどのような
結論を出すのでしょうか・・・?
そもそも、生命保険というのは「保障」が
売りのはず。万が一に備えて、会社や家族や
従業員を守るために購入するものです。
それがいつのまにか節税商品としての部分
だけが大きくクローズアップされるようになり、
生保各社の熾烈な競争を招いていました。
そういう意味では今回の国税庁&金融庁の
怒りの鉄拳は当然に振り下ろされたもの。
でも、真面目にお客様のためを思って保険を
勧めていた人たちも多くいたはずです。
手前味噌ですが、TZCもそのようなスタンス
で保険商品を必要な方に必要な分だけお勧め
して販売をしてきました。
とんでもないトバッチリを食らった気分です。
ま、私たちは税理士が本業ですからそれほど
痛手はありませんし、そもそも販売して
いなかったので楽観してます。
が、売るモノが無くなった生保営業マンや
代理店の皆さんは今後どうなるのか・・・?
億単位の手数料を稼いでいた代理店もあった
ことでしょう。税務リスクなどをきちんと
お客様に伝えていない営業マンも多くいた
ことでしょう。
さてさて、どうなるか??
コレなんかおかしいな、と感じていることは
将来必ず変わるのだな、と改めて感じました。
春にパブコメが出る予定とのことですので、
また情報が入りましたら共有しますね!
来週もお楽しみに!!