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権限委譲で注意したいこと

2019年02月20日

おはようございます。 
 
東京税経センターの市村祐記です。 
 
 
 
 
職場によくある人の問題について 
 
“あるべき姿”をお伝えしています。 
 
 
 
 
今回は 
 
「権限委譲で気をつけるべきこと」 
 
についてお話します。 
 
 
 
一般に「権限委譲」とは、上司や先輩が 
 
大事な仕事を部下や後輩に譲って任せ、 
 
責任をもってやってもらうことをいいます。 
 
 
 
組織運営の中で「権限を委譲する」ことは、 
 
中小企業が組織を大きくする意味でも、 
 
人材が成長するという意味でも 
 
大変重要なポイントだといわれています。 
 
 
 
 
ところが、これが元で組織内の問題になることが 
 
起こります。 
 
 
 
 
そのなかでもよく聞くのが、 
 
「権限委譲する人」や「権限委譲された人」が 
 
意味をはきちがえてしまうことによって起こる問題です。 
 
 
 
 
最近の多くの中小企業経営者の意見ですが、組織の中で「権限委譲」は 
 
 
「失敗してもかまわないから、全てあなたの裁量で行ないなさい」 
 
というよりは 
 
 
「成功させるためにあらゆるを配慮し、手を尽くしなさい」 
 
という意味合いが強く、そのためには、上司の意見や前任の知恵を 
 
借りることはきわめて合理的で自然なことだという考え方です。 
 
 
 
権限を委譲した人には組織上「ちゃんと委譲ができたか」という 
 
責任が発生しますので、しばらくは後任の報告を受けることも 
 
不可欠と考えるのはごく自然なことです。 
 
 
 
このあたりの捉え方が経営者、上席者、現場の人間がそれぞれみな

“自分流”になっているためになんか職場がギクシャクしてしまう

ようなんですね。 
 
 
 
 
例えば、委譲した人は 
 
「任せたんだから俺には関係ないのになんで相談してくるんだよ・・・」 
 
という責任放棄ともとれる言動や 
 
 
 
 
委譲された人は 
 
「任されたはずなのに報告が無いとか文句を言われる意味が 
 
分からない。俺のやり方に口出ししないで欲しい・・・」 
 
 
 
 
といった具合です。 
 
 
 
 
しかし、これは序の口で、このようなことから社内の人間関係が壊れ、 
 
誤解が生じ、とんでもないクレームや損害が生じたりします。 
 
 
 
 
私が以前行なっていた人材研修では“あるべき姿”は以下のようなイメージです。 
 
 
 
権限委譲を受けた人は、 
 
「問題無く引継ぎできたからそれでいい・・・」ではなく、 
 
特に委譲して間もないときは、上司や先輩、前任者に 
 
事前報告、中間報告、状況報告、完了報告、事後報告、緊急報告や 
 
相談等を必要に応じてマメに行うことで、仕事の内容を深く理解し、 
 
大きな失敗を未然に防いだり、損害を最小限に抑えたり、業務改善の 
 
ヒントを得たりすることが出来ます。 
 
 
※勿論、皆忙しいですからタイミングを考慮したり、 
 
完結明瞭に要領よくやる工夫はするべきです。 
 
 
 
 
さらにはこのようなことを続けることで 
 
組織内での信頼を高め、自身の仕事の内容をスムーズにレベルアップ 
 
させることにも繋がります。 
 
 
 
 
一方、権限を委譲した人は「順調にいっている?」「困ったことはない?」 
 
「なんかあったら相談してきて」と気にかけてあげます。 
 
これも職場のトラブル防止、効率化、安心、信頼に繋がります。 
 
 
 
 
やがて上席者や前任者から部下、後輩へ 
 
「もう、安心して任せているから大丈夫。君の考えでやればいいよ」 
 
というときがくるまで、いや、言われても続けるのです。 
 
(経験値が上がれば報告や相談の回数は減っていくでしょうね) 
 
 
 
 
やり方はそれぞれの職場に合った形がいろいろあると思いますが 
 
「つなぎ目」の部分には大きなほころびが出やすいこと、そして 
 
そうならないための考え方とやり方を事前に職場内に共有することが 
 
大切だと思うのです。 
 
 
 
 
“指示を与える者には責任があり、指示を受ける者には義務がある” 
 
 
byユリウス・カエサル (共和政ローマ期の政治家、軍人 / 紀元前100~前44 
 
 
 
 
最後までお読み頂きありがとうございました。 
 
 
次回もお楽しみに! 
 

みつかる