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合成の誤謬?

2019年03月04日

おはようございます!
東京税経センターの井本です。
 
怒涛の12月決算が
終わったと思ったら
息つく暇なく確定申告に突入です。 

土曜日出勤している
スタッフもチラホラ。 
 

この繁忙期は
いわば国が定めた
そう、「お祭り」です。 

3月15日までは
この業界のお仕事をしている
大半の人たちは 

これからは分かりませんが
現状は従来と変わらず
膨大な業務量があるので 

もう「お祭り」と捉えて
乗り切るしかありません。 

 
とはいえ、
変にハイになりすぎて 

タイの水掛け祭り
(ソンクラン)のように 

決して所内で
水を掛けまくったり

スペインのトマト投げ祭り
(ラ・トマティーナ)のように

トマトを投げまくったりしては
いけません。 

 

さて、今日は
12月決算のお祭りの中で出てきた
『所得拡大促進税制』のお話です。 

ざっくり言うと 

従業員の給与の総額が
基準となる過去の年度よりも増加して 

かつ、 

1人あたりの月額給与の平均額が
前年よりも1円でも増加していれば
(中小企業の場合) 

法人税を減税してくれる、 

そんな『所得拡大促進税制』。

 
 
給与総額も増えつつ、 
平均賃金が約10%も増加したのに 
適用できなかったケースに当たったので 
皆さんにシェアしたいと思います。 
 

計算の対象者になる従業員は5名。 

うち、2年間のうち、
前年の頭から当期の最後まで
在籍していた方は2名(Aさん、Bさん)。 

他の3人(Cさん、Dさん、Eさん)は
前年の後半で入社しています。 

給与額は
前年→今年で
ざっくり以下のとおりです。 

Aさん:年3億円 → 年3.3億円
Bさん:年3000万円 → 3300万円
Cさん:月50万円(6ヶ月なので300万円)→ 月55万円(年660万円)
Dさん:月40万円(4ヶ月なので160万円)→ 月44万円(年528万円)
Eさん:月40万円(2ヶ月なので80万円)→ 月44万円(年528万円) 

ほんとにざっくり書いていますが
概ねこんな感じです。 
 

するとどうでしょう? 

 
全員10%も賃金が上がっていますよね? 

なのに、
この税制の平均値の算出方法は、
というと、 

前年は 

(3億+3000万+300万+160万+80万)
÷(12+12+6+4+2) 

=335,600,000円÷36 

=9,322,222円 

一方、10%増えたはずの今年は 

(3.3億+3300万+660万+528万+528万)÷(12×5人) 

=380,160,000円÷60 

=6,336,000円 

ありゃりゃりゃ、
932万円からなんと300万円近く
平均値が減少してしまうではないですか! 
 

給与額が増えているのに
税額控除が適用できなーい!! 

これは人を増やすということで
給与総額は増えるかもしれませんが 

 
既存の人たちよりも
人件費が安い人たちが
入社した年との比較は
このような現象が生じてしまうのですね。 

 
ちなみに、
30年4月1日以降に開始する事業年度からは
新しいルールになっていますので 

前年と当年が
フルフルで在籍していた人が
比較対象になりますので 

こんなケースには
もう当たらないのかな、なんて。 

 

それにしても
いち従業員で年収3億円って・・・ 

上場企業の役員さんレベルではないですか!? 
 
 
いい刺激を頂きました(笑) 

さあ、3月がはじまりました。
今週も頑張っていきましょう! 

みつかる