水曜日担当の私からは毎週
職場によくある「人の問題」について
「人材育成の基本」を踏まえて“あるべき姿”
をお伝えしています。
今回は「ある中間管理職の悩み」について
お話したいと思います。
職場においてはみんな何かしらの
お悩みを持っているといって間違いないと思います。
その中でも良く聞くのが中間管理職のお悩みです。
ある会社の30代の課長が顔を歪めてこんなことを言っていました。
「周りからはうらやましがられるけど、
管理職なんてやるもんじゃないですよ!」
理由は
・わがままな部下からは不満を言われ
・指導すればパワハラと言われ
・上司からは無理難題を言われ
・問題を報告すればやり方が悪いと怒られ
・面倒が起こったり、都合が悪くなれば知らんぷり
・うまくいけば上司の手柄
・失敗すれば責任を押し付けられ、後始末までやらされる
・その割りに給料が安い・・・
もちろん、この話を100%鵜呑みにはできませんが、同じような
相談を受けることも多く、本人の表情から多少なりとも
「その傾向はあるのだろうな」と感じられました。
今の中間管理職のさらにその上司(上層部)の人たちの多くは40代、50代
なってくるのですが、たしかに、私が過去に研修で5,000人を超える管理職や
経営者と話してきた経験で言うと、このあたりの年代の”ある年齢層”で、
極端に「周りを都合よく利用して自分だけがのし上がるのが有能な人だ」
という考えの人の割合が他の年代の人に比べてとても多いような気が
します。まあ、きっと気のせいですね。
ところで、
最近は若い人材を確保しようと、若い人の採用に力を入れる企業は多いと
思います。それは当然大切だと思いますが、同じように大切なことは、
「中間管理職が、働きやすい職場環境をめざして、同僚・部下達に配慮し
ながら活き活きとリーダーシップをとって働く」
このような職場づくりを上層部は目指していくことだと思います。
きっと、それが、若いメンバーの人材育成や帰属意識を高めることに
つながり、企業を成長させる直接の原動力になると信じるからです。
なぜなら、中間管理職は上層部とも連携をとるし、社歴もあり、理念や方針を
深く理解できる環境にいますし、その一方では若いメンバーとも毎日現場で
接触しています。その若い社員は中間管理職(直属の上司)に将来の自分を
重ねるわけですから。
もし、上層部の人たちが、新人達を過剰に甘い言葉でどんどん囃し立て、
一方では、ベテラン中間管理職に困難を頭ごなしに押し付けて、失敗すると
責任を転嫁してやり過ごし、「それが組織というものだ」と考えるならば
あまりにも無理があるように感じます。
「最強のビジネス組織を築き、最も創造的な仕事を生み出すのは、
組織内部で働く者同士の尊敬と共感だ」
by ルチアーノ・ベネトン(イタリア 経営者)
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回をお楽しみに!