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メールマガジン

うかがい得る特段の行動に要注意

2019年02月21日

おはようございます! 
税理士の松嶋と申します。 
 
 
本メルマガは、皆様が怖い怖い 
とおっしゃる税務調査に対し、 
勇気をもって戦えるノウハウを 
解説しております。 
 
 
 
私のパートは【毎週木曜日】です。 
 
税務調査について分かりやすく 
解説していきます。 
 
 
 
 
 
それでは、第二百三回目。 
 
 
テーマは、 
 
「うかがい得る特段の行動に要注意」です。 
 
 
 
重加算税を課税する場合には、 
 
故意に基づく隠ぺい仮装行為が必要である 
 
というのが通説です。 
 
 
しかし、近年の傾向として、 
 

当初から所得等を過少に申告する意図であったことを

 
外部からもうかがい得る特段の行動がある場合 
 
にも重加算税の対象になるとした最高裁判例があります。 
 
 
今回は、このうかがい得る特段の行動について解説したいと思います。 
 
 
 

うかがい得る特段の行動となると、冒頭に述べた「故意」は重要ではないと

 
考えられるため、広く重加算税が課税されると考えられます。 
 
 
実際のところ、 
 
重加算税が課税されるケースが近年増えている 
 
という、弁護士も多数存在します。 
 
 
 
このような拡大解釈を最高裁が解釈したのは、 
 
あからさまな無申告などが見られる場合に問題が生じるからです。 
 
 
 
重加算税は、単純ミスではない、意図的な不正がある場合のペナルティです。 
 
このため、単純ミスの過少申告と区分するために、 
 
申告のミス以外に隠ぺい仮装と評価できる行為が必要になる 
 
と言われています。 
 
 
 
このような通説には問題点があります。例えば、 
 

1 隠ぺい工作を全くしない

 
2 どうせ見つからないからと思って、所得を全く申告しない 
 
このような場合が問題になります。 
 
 
なぜなら、 
 
申告に隠ぺいはあるものの、申告以外に隠ぺいはない 
 
ことになるからです。 
 
 
 

このような悪質な申告もれについては、法律の建前は別にして、

 
やはり重加算税を課税すべきです。 
 
 

最高裁判所も、このような事情を考慮した上で、隠ぺい工作がなくても、

客観的に見て隠ぺいする意図が明白であれば、重加算税を課税できるとしたのが

 
先のうかがい得る特段の行動の意味するところなのです。 
 
 
 

こういうわけで、あらゆる場合において隠ぺい仮装の故意がなくても

重加算税の対象になる、というのは行き過ぎですが、

 
 

あからさまに不正と言える申告漏れがあれば、明確な隠ぺい仮装がなくても、

 
重加算税が課税される場合があるため、注意が必要です。 
 
 
 
何をもってあからさまと言えるかが問題になりますが、過去の判例によると、 
 

(1)税務調査で虚偽答弁がある場合

 

(2)申告に当たって税理士に見せるべき資料を秘匿した場合

 

(3)意図的な過少申告を何年にもわたり続けていた場合

 
(4)通常保存する資料を散逸させて分かりにくくする場合 
 
など、国税から見て悪質性が高いと判断する場合が挙げられています。 
 
 
 

このような事情があるため、近年の税務調査では重加算税の範囲を

国税は広く解釈するわけですが、注意しておきたいのは

 
 

重加算税については、隠ぺい仮装の故意が必要であるという原則は

崩れていないということです。

 
 
 
 

隠ぺい仮装の故意がなければ、重加算税を全く課税できないのは

おかしいことから、うかがい得る特段の行動のような、露骨な不正

について隠ぺい仮装の故意があると同視できるとしているわけで、

 
 

悪質性がない場合には、隠ぺい仮装の故意がない限り、重加算税を

課税すべきではないと結論付けられます。

 
 
 
 

なお、税務調査では資料を出し過ぎてはいけないが、嘘をつくのは

もっての外と説明されます。

 
 
 
この点、(1)の通り、重加算税のリスクが大きいですから注意してください。 
 
 
 
それではまた来週!! 
 
 
 
追伸、 
 
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みつかる