おはようございます!
税理士の松嶋と申します。
本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。
私のパートは【毎週木曜日】です。
税務調査について分かりやすく
解説していきます。
それでは、第二百二十四回目。
テーマは、
「押さえておきたい更正の請求とゴリ押しの関係」です。
申告した税金の計算が間違っていたため、税金を過大に納税していた場合、
“更正の請求”
という手続きを経て、多く支払った税金の還付を受けることができます。
この更正の請求ですが、実際のところはその要件が細かく決められており、
①税金の計算誤りがある場合
②法令の適用誤りがある場合
に限り、その税金の還付を受けることができます。
少し専門的な話になりますが、これらの要件が実務で問題になるケースとしては、
選択できる計算方法が二つ以上ある場合
が挙げられます。
税務においては、選択できる計算方法が二つ以上設けられており、そのうち
納税者が任意に選択した方法で税金を計算してもいい、という取扱いが
なされる規定があります。
この場合、選択がいい加減だと当初の確定申告で選択したAという方法が
実は有利ではなく、選択可能なBという計算方法でやっていればもっと
税金が少なくなった、ということが生じることがあります。
しかし、このようなケースでは更正の請求は認められません。
法律上、Aで計算することもBで計算することも認められていますので、
Aを選択したことについて税金の計算誤りもなく、法令の適用誤りもない
という結論になるからです。
このルールは税理士にとっては常識的ですので、仮に上記と同様の
ケースがあれば、納税者の方には更正の請求ができません、
と説明しています。
しかし、聞くところによると、国税はこのようなケースであっても、
場合によっては更正の請求を認めてくれることがあるそうです。
法律的には認められないのですが、納税者にとって還付できないのは酷ですから、
「今回だけですが...」
「公開して欲しくないのですが...」
などと前置きした上で本来は返せない税金も還付する、といった実務が
多く行われているようです。
以前聞いた話ですが、譲渡所得の計算上控除できる取得費について、
当初の確定申告で選択しなかった、市街地価格指数による計算を
更正の請求で認めてくれた事例があるようです。
取得費がわからない場合、譲渡収入の5%か、市街地価格指数などを
基に合理的に計算するか、いずれかを選択することになりますが、
市街地価格指数による計算は法令上は明確にされていませんので、
多少リスクがあると説明されています。
このため、一般的には譲渡収入の5%を取得費として申告することが
ほとんどです。
この場合のリスクとして、
“譲渡収入の5%を取得費として申告してしまうと、後日市街地価格指数
などで計算したいと思っても更正の請求はできず、泣き寝入りするより
他にはありません”
と解説されています。
しかし、実務ではこのような裏技対応もなされる可能性がありますので、
法律の要件に捉われることなく、逐一国税に確認を取った方がいい
でしょう。
このような更正の請求が認められれば、納税者にとって極めて有利な
状況となりますが、その反面、法律に則っていない実務が幅を利かすのは
やはり残念にも思います。
それではまた来週!!
追伸、
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