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メールマガジン

非協力を交渉材料にしてはいけない

2019年02月28日

おはようございます! 
税理士の松嶋と申します。 
 
 
本メルマガは、皆様が怖い怖い 
とおっしゃる税務調査に対し、 
勇気をもって戦えるノウハウを 
解説しております。 
 
 
 
私のパートは【毎週木曜日】です。 
 
税務調査について分かりやすく 
解説していきます。 
 
 
 
 
 
 
それでは、第二百四回目。 
 
 
テーマは、 
 
「非協力を交渉材料にしてはいけない」です。 
 
 
 
 
 
先日、帳簿の提示を拒否したとして、 
 
消費税の税額控除(仕入税額控除)を3年間否認され、

 
結果として35億円もの追徴課税がなされた会社の報道 
 
がありました。 
 

 
この報道によると、 
 
1 無予告で国税に調査されたことに異議があった

 
2 対応を会計士に任せていた

 
3 会計士から税務調査に応じる必要はないと説明された 
 
こんな状況で、経営者もよくわからないうちに、巨額の課税がなされたようです。 
 
 
 
無予告調査など、国税とトラブルに発展する税務調査はかなりあります。 
 
その際注意しておくべきことは、 
 
国税に非があれば抗議することは問題ないが、

 
非協力を交渉材料にしてはいけない 
 
ということです。 
 
 
 
国税から無礼な調査を受けた方から、私は 
 
1 国税が謝罪するまでは調査に応じたくない

 
2 録音を認めない限り調査に協力をいたしかねる 
 
といった意見や相談を受けることが多くあります。 
 
 
確かに、人情や常識としては理解できるものの、 
 
法の建前はもちろん、裁判所もこのような意見を完全に否定する 
 
ため、それを交渉材料にしても、損するのは皆様なのです。 
 
 
 
このため、 
 
調査には協力し、帳簿等は見せる 
 
一方で、 
 
抗議すべき不手際が調査官にあれば、上司である統括官などに

誠実な対応を約束させる 
 
といった落としどころを踏まえて交渉する必要があります。 
 
 
 
なお、指定官職と言われる署長や副署長などの幹部職員は、 
 
言質を取られることを嫌って絶対に納税者に謝罪しない 
 
ですし、 
 
建前ばかりを重んじる国税組織は、書面による謝罪もしない 
 
ため、相手の出方をみながら、統括官程度の上司の謝罪で手を

打つ必要があります。 
 
 
 
このあたり、判例などを参考にすれば当然に理解できる話

なのですが、国税との交渉に免疫のない税理士は多くおり、

かつそのような税理士に誤った知識を提供して、できない

 
こともできるという国税出身の税務調査のコンサルタントがいます。 
 
 
その結果として、このようなあり得ない不利益を受けてしまうことが多くあります。 
 
 
 
経営者の方々は、 
 
謝罪があれば調査を受ける

 
録音を認めてくれれば調査を受ける 
 
という考えを持っていますので、調査に協力しない訳ではないという

思いがあることが通例です。 
 
 
このような考えは誤っていませんので、刑事罰の対象になる

調査非協力にはならないですが、

 
帳簿を見せないと、 
 
本件のような仕入税額控除の全部否認

 
納税者に特典を与える青色申告の取消し 
 
がなされ、それは違法ではないと判断される裁判が多くあります。 
 
 
このため、最終的には納税者が折れざるを得ない、という

納得しがたい現実を受け入れざるを得ないのです。 
 
 
 
税には常識で考え難い部分がたくさんありますが、このような

非常識もありますので、注意してください。 
 
 
 
なお、冒頭の会社については、 
 
税務調査の途中で本店を千葉から四国に移転する 
 
といった、管轄が移転すれば調査をスムーズにやりにくくなるとでも

考えたのか、誰が見てもやりすぎと思える事情もあったようです。 
 
 
税務調査には最低限の協力で問題ありませんが、あからさまな

非協力には問題も残りますから、調査官の

 
言質や了解を取りながら、柔軟な対策に心がける必要があります。 
 
 
 
 
 
 
 
それではまた来週!! 
 
 
 
追伸、 
 
わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール 
は以下のサイトからどうぞ!! 
 
↓↓↓ 
 
http://yo-matsushima.com/profile 
 

みつかる