MENU

メールマガジン

保険金と退職金は関係ない

2019年05月23日

おはようございます! 
税理士の松嶋と申します。 
 
 
本メルマガは、皆様が怖い怖い 
とおっしゃる税務調査に対し、 
勇気をもって戦えるノウハウを 
解説しております。 
 
 
 
私のパートは【毎週木曜日】です。 
 
税務調査について分かりやすく 
解説していきます。 
 
 
 
 
 
 
それでは、第二百十四回目。 
 
 
テーマは、 
 
「保険金と退職金は関係ない」です。 
 
 
 
中小企業の実務においては、経営者や役員の退職に備えて、

 
退職金の原資として保険料の半額が損金になるような保険に

加入することがあります。 
 

 
このような保険に加入して保険料を支払って、その一部を経費に

することは問題ありません。 
 
 
 
一方で、保険金を実際に受領する際、その保険金の一部は収益に

なりますので、それが課税されないよう退職金を支出することに

なりますが、収益に計上されることになる保険金の金額と、

経費とすることができる退職金の金額は、相関関係が全くない 
 
ことには注意する必要があります。 
 
 
 
具体的に申し上げると、5,000万円の保険金を収入し、

その半額の2,500万円が収益計上されるとした場合、

2,500万円の退職金を支給すれば、理論上は両者が

相殺されて利益はゼロになり、法人税は発生しません。 
 

 
しかし、退職金は適正額しか経費にならないという取扱いがあり、

この適正額は原則として平均功績倍率法などで計算されます。 
 
 
 
このため、保険金を貰ったとしても、平均功績倍率法などで

計算される金額の範囲しか退職金は経費とすることはできず、

収益計上される保険金の金額とは関係がありません。 
 

 
具体的には、平均功績倍率法で計算される適正額が

1,500万円であれば、差額の1,000万円については

経費にならず利益に計上され、結果として法人税が発生することになります。 
 
 
 
以上を踏まえると、保険金を収入する際の出口戦略に備えて、 
 
保険金による収益額と相殺が可能になるよう、退職金の適正額を

予め増額させる必要があるということになります。 
 
 
 
平均功績倍率法による適正額は、 
 
勤続年数と最終報酬月額、そして平均功績倍率によって決まる 
 
ため、法人の判断で操作できる最終報酬月額について、

退職金の支給を受ける前までに、平均功績倍率法から逆算して

調整する必要があります。 
 
 
 
最終報酬月額を調整する場合の注意点ですが、退職する直前に

報酬月額を増額させるような場合には問題が生じる可能性があります。

なぜなら、過去の判決例において、平均功績倍率法の前提として、 
 
役員の最終報酬月額は、退職直前に当該役員の報酬が大幅に

引き下げられたなどの特段の事情がない限り、役員在職中における

法人に対する功績の程度を最もよく反映していると判断されているからです。 
 

 
この判断を前提にすれば、退職直前に報酬を大幅に増減させる

などすれば、平均功績倍率法を使うこと自体不適当であり、

退職金の適正額はもっと小さくなる、といった判断がなされる

可能性があります。 
 
 
 
加えて、国税としても、退職直前に報酬月額を増額させて、役員退職金の

適正額を増額させるなどすれば苦々しい思いをするはずで、

結果として厳しい対応をする可能性があります。 
 
 
 
このため、退職する役員の報酬月額は、退職前に数年かけて、

徐々に調整する必要があると考えられます。 
 
 
 
それではまた来週!! 
 
 
 
追伸、 
 
わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール 
は以下のサイトからどうぞ!! 
 
↓↓↓ 
 
http://yo-matsushima.com/profile