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下総の偉人その2 大原幽学(第4回)(2018/01/19)


 

 

 

 

おはようございます!
金曜日担当、顧問の坂入です。

 

下総の偉人2:「大原幽学」4回目です。

 

前回は、下総の農村で「原始的共産制度」として、子孫永々相続講、

預かり子制度、先祖株組合を導入したことを簡単に述べました。

 

今回は、何故これらのシステムが受け入れられたかを中心に述べて

みたいと思います。

 

<土地改良と村落の再編>

 

江戸幕府の制度下では、農村は五人組帳前書などで、村ごとの田畑

の検地帳(水帳とも呼ばれていました)の通り管理され、農地は開墾さ

れた状態のまま、境界となる畦道は、くねくねと曲がり、互いに入り組

み、所有者或いは耕作者の集落から遠く離れているのが実状でした。

 

幽学は、「畦道を真っ直ぐにして、持ち主ごとに一か所に集め、住まい

も耕作地の近くに移せば効率が良くなる」と提唱しますが、検地帳通り

が原則で、百姓が勝手に領主の許可も得ずに田畑をいじることは出来

ませんでした。

 

幽学は、これを実行させ「畦道を真っ直ぐに作り替えさせて耕地面積を

広げ、農作業の効率性を高め、整地した耕地の近くに数人づつ移住さ

せました。

長谷部村では、この農地改良と同時に、2軒1組で耕地に隣接する場所

に家を移転させて、鏑木村では、宿内の6戸6人は、6軒一同がまとまっ

て家作させ、耕地も6軒平等に振り分けて、碁盤の目のような区画と、真

っ直ぐな農業用水路を持つ耕地に造成し直して、原始共産社会のような

村づくりを実践させました。

 

<何故村人は心酔したのか>

 

後に、幽学は「八州廻り」によって捕縛され江戸の勘定所に訴えられ、

裁判を受けることになります。この時の白州(法廷)での調べに対して、

下総の農民(改心楼で指導を受けた千人以上の門人)からの、幽学に

対する意見陳述の内容から、心酔した理由が読み取ることが出来ます。

 

「何故、潰れ寸前の村々の百姓が、集団になって土地を切り開いて改心

楼という教場まで建設して幽学の教えに従ったのか」という奉行の問い

かけに対して以下の趣旨の陳述が行われています。

 

理由1、実践的指導

「先生は、日頃の教場だけでの座学だけでなく、つまり、口先だけでなく、

私たち農民と一緒になって、自ら率先して、身を以って教えを実践して

一緒に努力しながら実践しています。」

理由2、滅私奉公

「日頃から、自分だけ楽をしようなどとひと時も窺がうことが出来ず、大勢

の門人を子供の如く心にかけ、真に飽きることなく、熱心に教え導いて

頂いています。」

理由3、辛抱強く

「門人すべからく、その長年(約20年に亘る指導)の粘り強い実践的な指

導に、身の過ちを悔い改めて、心から改心して、その教えに涙して感謝

しています。」

 

何故訴えられて逮捕されたのか?

<幽学の捕縛と訴えは>

 

私欲を持たずに、ただひたすら荒廃した下総の農村の救済に打ち込む

幽学に対して、「何か裏があるのではないか?」「酒と博打に酔っていた

百姓が、改心楼という大きな教場まで建てて、日々多くの農民が集まっ

ているのは、キリシタンのような邪教の類ではないか?」という疑念の下

で、何かが起こってからでは自分たちの「八州廻り」としての立場が危うく

なるという、小役人の保身の発想から、江戸の勘定奉行所に判断の下

駄を預けられたのでした。

 

つまり、「八州周り」の自己保身:責任回避の為に訴えられたのでした。

 

直接の罪状は、それまで、密偵を使って内偵しても訴状に書けるよう

罪科が把握できず、やむなく、地回りのやくざ者を使って暴力事件をで

っち上げての訴えでした。

しかし、訴えの本筋は、ついでに記述されていた、「無断で土地を整地

して、石垣を組んで教導場を建設したことはけしからん」「無学な百姓に

対していい加減な屁理屈を並べて惑わした大原幽学個人への追及」

という内容の訴状だったと伝わります。

 

今週は、ここまでです。

・・・裁判の状況や、判決、その後の幽学は来週以降へ!

 

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