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東京税経メルマガ



在庫の計上もれは期首も考慮する(2017/10/12)


 

 

 

 

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百三十七回目。

 

テーマは、

「在庫の計上もれは期首も考慮する」です。

 

税務調査でよくある間違いの一つに、

仕掛工事などの期末在庫の計上もれ

があります。期末在庫については、手間がかかることもあって、経理上のミスが非常に
多いのです。

 

実務上、期末在庫の計上もれが税務調査で問題になる場合、

事業年度ごとに、期末在庫の金額は問題にせず、税務調査の対象となる
期間のうち、最も新しい最終期だけをチェックする

ことになっています。このため、例えば3月決算の法人の税務調査については、
29年3月期以前3期ほど税務調査を行いますが、

平成28年3月期、27年3月期の期末棚卸資産の金額は考慮せず、
29年3月期についてのみ是正する

ことになります。

 

最終期だけをチェックする理由は、期末在庫の計上もれが

留保項目の問題

だからです。

 

例えば、上記の例の通り、平成29年3月期、28年3月期、27年3月期
の過去3年間が税務調査の対象になるとします。

 

第一期目である、平成27年3月期に、期末在庫として計上すべき金額が20円
不足している場合、3年前は利益が20円アップします。

しかし、在庫は売れた段階で経費になりますから、この期末在庫は27年3月期においては
経費とならないだけで、その20円は、

平成28年3月期以降で経費になる

のです。

 

このように、ある年度の間違いが、違う年度の利益金額に影響を及ぼすものを、留保項目と
いいます。留保項目については、単に利益として計上する年度が違うだけですから、

致命的な間違いではなく、取り返しが効く

と言われます。実際のところ、税務署も同等の見解を持っていて、

留保項目の誤りについては、原則として寛大な対応がなされる

傾向があります。

 

だからこそ、税務調査の最終年度において期末在庫の金額に間違いがなければ、過去の期末在庫の
金額に間違いがあったとしても問題がない、というのが税務調査における常識的な対応になっている
のです。

 

ところで、このような実務について、突き詰めて考えると面白いことが分かります。

 

税務調査で問題になる、最終年度の期末在庫を間違える会社であれば、同じように前期以前においても
期末在庫の計算を間違えている可能性があります。

前期の期末在庫は最終年度の期首在庫となりますので、その計算の間違いは、最終年度の利益計算に影響を
及ぼすことになります。先の例で言えば、27年3月期(3年前)と同じような間違いを、28年3月期(2年前)
、29年3月期(1年前)にもしていると想定されます。

 

税務調査は、事業年度ごとの利益金額が正しいかを確認するために行われますので、最終年度の利益金額を
正確に計算するのであれば、最終年度の期首在庫の金額が正しいのかも検討しなければならないことになります。
具体的に、平成27年3月期で初めて期末在庫の数字を20円間違えたとすれば、以下の通りの計算になります。

 

平成27年3月期 20円の利益の増加(27年3月期末の棚卸のもれ)

平成28年3月期 20円の利益の増加(28年3月期末の棚卸のもれ)と20円の利益の減少
(27年3月期末の棚卸のもれについて、当期に売れたため減額)で、差引ゼロ

平成29年3月期 20円の利益の増加(29年3月期末の棚卸のもれ)と20円の利益の減少
(28年3月期末の棚卸のもれについて、当期に売れたため減額)で、差引ゼロ

 

この理屈で計算をすると、最終年度やその前の年度だけではなく、在庫の金額の数字を初めて間違えた
年度まで遡らなければ、各事業年度の正しい利益の金額を算定できないことになります。

 

税務調査は数年に一度しか行われませんから、

初めて間違えた年度は時効で課税できない

といったケースが実は多いと考えられます。

 

以上を踏まえると、期末在庫の計上もれについては、

期首在庫の数字が正しいか検証させることで、その不利益を防止することが
できる可能性がある

のです。

 

税理士や国税職員はあまり意識しませんが、期末在庫の問題が生じれば、

期首在庫も正しいか聞いてみる

と面白いことになりそうです。

 

 

 

 

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

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