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東京税経メルマガ



通達を安易に読んではいけない(2017/06/22)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百二十一回目。

 

テーマは、

「通達を安易に読んではいけない」です。

 

先般、競馬のはずれ馬券が経費になるかが問題になった最高裁判決がありました。

 

この最高裁判決ですが、報道などで見込まれていた通り、

国税の全面敗訴

という極めて社会常識に則った判断が下されています。

 

国税としても、全面敗訴を見込んでいたのでしょうか、極めて迅速に、
「競馬の馬券の払戻金は一時所得」としている通達を見直す、という対応を
とることをなりました。

 

個人的な意見を申し上げますと、通達を見直すということは、これまた

本質を外れた暴挙

と考えています。

 

なぜなら、通達の前文に、通達の大原則として、通達の適用に当たっては、

法令の規定の趣旨、制度の背景のみならず条理、社会通念をも勘案しつつ、個々の具体的事案に
妥当する処理を図るよう努められたい

このような指示が国税庁長官から明確になされているからです。

 

国税が最高裁で負けたこの事案は、通達に問題があるのではありません。

法令の規定の趣旨や社会通念を考慮せずに課税を行った。通達の大原則である、通達の前文を誤解した
国税組織のあり方に問題があるからです。

 

判決でも指摘されていることですが、改正される前の通達では、

馬券の払戻し金は、原則として経費が制限される一時所得になる
⇒一時所得である以上、経費の制限にかかり、外れ馬券は経費にならない

こんなことが規定されています。

 

しかし、この最高裁で国税が全面敗訴した事件の競馬は、一般の競馬とは異なり、

多額の利益を上げるため、自動化ソフトを整備し、長期間にわたり頻繁に競馬を行う

というものでした。こうなると、規模的にも継続性的にも、ビジネスとして競馬を
行っていたことに特殊性があります。

 

ビジネスとして行う場合、それは一時所得にはなりません。結果として、経費の制限も
大きくない雑所得や事業所得になり、はずれ馬券は経費になるわけです。

 

一般の競馬は、趣味として行うものですから、ビジネスに該当せず、一時所得になり
はずれ馬券を経費とすることはできないことは明白です。

改正前の通達には、一般の競馬と最高裁でぼろ負けした競馬の相違について明確に
されていませんが、一般の競馬を前提に、こういう正しいことを言っているにすぎません。

 

事実、法律では「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」は一時所得にならないと
しており、営利目的で継続的に行った競馬は、通達に関係なく一時所得にはなり得ないのです。
すなわち、通達は関係なく、単に法律を国税が読み間違えただけ、という結論になります。

 

にもかかわらず、

通達の改正は法令解釈の変更に当たる

などと説明して、今までの解釈を改めるなどというのはお門違いであり、全文も読まずに通達を文字通り
解釈した安易な行政を反省すべきと考えます。

 

そもそも、

通達を文字通りに読み取って、安易な節税を図る納税者

に対し、国税は、先の通達の前文を基に、

法律の趣旨や社会通念などに照らして鉄槌を下す

ことが通例です。

 

通達は法律ではありませんから、通達があるにしても、その通達が法律に則っているか
絶えず確認しなければならない、という常識が税の世界にはあります。

 

となれば、このような改正は、通達を文字通りに読め、と国税が言っているに等しく。
通達を安易に解釈し、その抜け道をつく納税者に対して、国税の得意技である先の鉄槌が
使えなくなると懸念されます。

 

通達を文字通りに利用する安易な節税について、場合によってこのような鉄槌を下すことも
租税正義のためには必要と私は考えています。

しかし、国税が法律や通達の意味を誤解し、結果として租税正義も歪曲されてしまうとなると、
日本の税制に未来はありません。

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

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