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東京税経メルマガ



概算取得費に騙されない(2017/06/08)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百十九回目。

 

テーマは、

「概算取得費に騙されない」です。

 

所得税の確定申告の際、毎回不安になるのは、

概算取得費の適用範囲

です。

 

概算取得費とは、

譲渡所得の計算上控除することができる資産の取得費が不明の場合、
譲渡収入の5%を取得費とする

という制度です。

 

個人が土地や建物を売った場合の、譲渡所得の計算は、

譲渡収入-売った資産の取得費-譲渡費用

このような計算になりますが、その取得費が不明であれば、

譲渡収入の5%を取得費とできる

とされています。

 

相続した土地建物など、いくらで買ったかわからない資産はかなり実務で
多くあります。このような場合、この制度を使うことになりますが、
となれば、

収入金額の95%に対して税金がかかる

このような酷な結果になります。95%も課税されるのは非常に酷ですから、

購入金額はきちんと記録を残す

と言われますが、なかなか難しいのが現実です。

 

こういう訳で、国税から多額の税金を取られて泣き寝入りすることも多くありますが、
過去の裁判例を見ると、

市街地価格指数など合理的な基準を基に、譲渡する土地などの取得費を計算することが
認められている

のです。

 

すずめの涙程度の5%よりも、この基準を採用した方が控除できる金額が大きいことが通例
ですから、積極的に採用したいと思うのが人情。しかし、大きな問題があります。それは、

市街地価格指数など、合理的な基準を使っていいとは法律には書かれていない

ということです。法律にない以上、本当にこの基準で計算できるのか税理士は躊躇します。

 

反面、このような基準を使えるにもかかわらず、仮に使わなければ、

たくさんの税金を払わせたとして、クライアントから損害賠償請求を受ける

ことになります。

 

このような場合、計算を間違えましたとして、税務署に更正の請求をして還付してもらえれば
問題はありませんが、

5%で取得費を計算するという法律がありますから、計算間違いはありません

と、国税職員から血も涙もない通告をされて、還付してもらえないことが通例です。

 

このため、税理士は不安ながらも市街地価格指数を使うものの、税務調査において、
法律はもちろん「社会常識」も知らない調査官に

「5%でやり直せ!」と指摘される不安

を持って、税理士は確定申告を行わざるを得ない、というのが正直なところです。

 

ところで、先日、

外れ馬券も経費になるとした競馬事件

がありました。従来、外れ馬券は経費にならないという通説がありましたので、実務に
判例が与えるインパクトは大きいです。しかし、

判例を適宜正確に把握している税理士や税務職員は極めて少数

なのです。

 

・ 税理士試験は法律の丸暗記する試験であり、判例は出題されないため、
税理士は判例に詳しくない
・ 判例を勉強しても、国税の評価はゴマすりであるため、勉強してもほとんど
評価されない

 

こんな情けない現実が税にはあります。結果として、判例があっても、それだけで
実務が動くといえば、決してそうではありません。

 

事実、判例など全く知らなかった現職時代は、

「実家の土地の契約書を保存しないと95%も税金の対象になるから、厳重に保存しない
とまずい」

と土地持ちの同期は戦々恐々していました。

 

確定申告の相談の際、上司からの指示事項の通り、

取得費が不明ですから、譲渡所得は収入の95%を基準に計算してもらいます!

と悪びれることなく善良な納税者に説明していました。

 

市街地価格指数などの基準も使っていいのであれば、その旨法律や通達で明記すれば
足りる話なのですが、節税につながる話ですので、国税は大っぴらにしたくありません。

 

例えば、現職時代、不明確な公共団体の消費税の取扱いにつき、国税局の指示で

(例外的に)税金を小さくする指導

をしたこともありました。しかし、

その内容は極力公開してはいけない

と厳しい指導を受けたことがあります。

 

こうやって課税の公平は歪められるのです。

 

しかし、残念なことにこのような大っぴらにはされない、安易な節税につながる情報は

退職したOB税理士の飯の種

となります。そして、このようなOB税理士から話を聞いた、ごく限られた人間に
「還元」されることになります。

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

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