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東京税経メルマガ



黙示の承諾というリスク(2017/05/11)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百十六回目。

 

テーマは、

「黙示の承諾というリスク」です。

 

税務調査では、納税者が調査官の見ようとする資料、ヒアリングしようとする
内容について、調査官に「承諾」を与えれば、調査官の手続きは法律上問題ない
ことになります。

 

この、調査官の手続きが問題にならない要件である、納税者の承諾には
「黙示の承諾」も含まれます。黙示の承諾とは、

明確にノーと言わず、黙認していること

を意味しますが、この点から興味深い裁判例があります。

 

この裁判では無予告調査を実施した税務調査に対し、

1 明確な承諾なく、調査官が倉庫に入室したことは合法か
2 明確な承諾なく、倉庫の中をデジカメで撮影した行為は合法か

この2つの問題点について判断されたものです。

 

この裁判では、

1 倉庫に入室したことは合法である
2 デジカメで撮影したことは違法である

と、異なった判断がなされています。

 

倉庫の入室が合法となったのは、

倉庫の管理者である従業員が、調査官の倉庫への入室に対して
明確に抗議しなかった

ことが「黙示の承諾」に当たるとされたからです。

 

無予告調査の場合、調査官は納税者の承諾を得るため、現場の従業員に

至急社長に電話連絡を取ってほしい

と申し出ます。

 

従業員としては、変なリスクを背負いたくないこと、調査官に対して社長以上に恐怖心が
あることもあって、

一回調査官を入室させた上で、事務所の電話から、
社長に電話連絡することが通例

です。

 

しかし、調査官を入室させるということは税務調査を受け入れる、という
「黙示の承諾」に当たるわけで、

無予告調査を延期したいのであれば、調査官を入室させてはいけない

のです。

 

無予告調査の場合、最初に国税と立ち会うのは社長ではなく従業員が
多いですから、

無予告調査の場合には、調査官を入室させることなく連絡する

ことを、きちんと伝えておく必要があります。

 

一方で、倉庫内をデジカメで撮影したことは違法とされています。
デジカメの撮影は倉庫に入室しなければできませんし、入室させたとしても
勝手に倉庫の中を撮影することは、当然許されません。

 

このため、電話で納税者が無予告調査にひどく抗議していることを踏まえれば、
納税者がデジカメ撮影を「承諾」したとは到底考えられず、黙示の承諾に該当しないと
されています。

 

本判決では、

調査官が承諾を求めた以上の税務調査を、承諾なく行えば基本的には違法になる

と判断されています。このため、行き過ぎた税務調査を押さえるためには、

どこまでのチェックを調査官が求めているのか逐一確認をとる

必要があるということになります。

 

このように確認した上で、その範囲以上の調査を求める場合には、

都度「承諾」が必要であると主張

して、簡単には余計な税務調査を実施できないよう、緊張感を持って調査官に
対応する必要があるのです。

 

余計なことをさせない、と申し上げると、

税務調査を妨害する

といった印象を持たれる方も多いと思います。

 

確かに、このような対応をすれば調査官の印象はよくはありませんが、当の調査官も、

税務調査時には敢えて税理士に資料のコピーや資料作成をさせる

といった形で、税理士に余計な抗議をされないように措置していることが通例です。

 

税務調査は交渉事ですから、このようなテクニックをうまく使うことも重要と考えます。

 

 

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

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