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東京税経メルマガ



数字は平気でうそをつく( 2017/04/06)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百十二回目。

 

テーマは、

「数字は平気でうそをつく」です。

 

先般、「タックス・イーター――消えていく税金」(志賀櫻著)という本を読みました。

http://nnp.y-ml.com/cs/Daily/1042/2087

著者は、元財務官僚の弁護士で、国税内部の事情にも詳しい方です。タイトルの通り、
税務行政の現実を踏まえた中で、日本の税制の問題点を指摘しているのですが、
その中で

国税は税務訴訟の件数をカウントする際、事業年度別に一件とカウントしている

という問題があるとしています。

 

結果として、

同一の納税者の訴訟につき、その実質は一件であるにもかかわらず、数件カウント
されることになっていた

という大きな問題が指摘されています。

 

税務調査は、原則として、5年分行われます。仮に、5年全てに間違いがあれば、
5年分の修正が必要になります。

 

押さえておきたいのは、5年分修正を行うとした場合、圧倒的に同じ間違いで
修正することが多いということです。税務調査で誤った経理ミスが発見されると、
過去から間違っていたことになりますから、その経理ミス一つについて、最大で
5年間訂正することが多くあります。

 

ここで著者が言いたいのは、

経理ミスは一つのため、本来訴訟は1件としてカウントするべき

であるにもかかわらず、5年修正しているため、

国税の計算では5件とカウントされる

これは、訴訟の件数をかさ上げする行為である、ということです。

 

訴訟の件数がかさ上げされることは、実は非常に問題になります。
税金の訴訟は、

大量になる傾向があることから、国税に過度に負担にならないよう、
国税に有利に解釈するべき

とされています。

 

しかし、実質に一件の訴訟につき数件カウントされるのであれば、その大前提が
おかしいということになります。言い換えれば、粉飾決算と大差のない
行為が、国税においてはなされていると言えます。

 

あくまでも私見ですが、税務の職場にいた経験から申し上げますと、

国税が発表する数字は平気でうそをつく

という印象があります。典型例は、e-Tax(電子申告)です。

 

電子申告の創設時、その利用を後押しするために、利用が進んでいることをアピール
するよう、上層部から法人営業を行うよう指示を受け、税務署ごとに申請者数の
ノルマが設けられました。

 

この、申請者数を大きくするため、各税務署は

確定申告をほとんどしない職員がe-Taxの申請をする
それを一件とカウントする

といった、サクラ(偽客)をやっていました。

 

こんなことに何の意味がある、と思ったものですが、サクラ(偽客)は商売の世界では
よく行われていますので、その延長として当然に許されるだろう、と国税は考えていると
思ったものです。

 

ところで、平成26年より導入された「国外財産調書」に関し、その提出や記載内容について
税務署が非常に厳しい対応をしています。法律上、提出義務があるものですから、一般の方には
このような対応がなされても違和感はないのでしょうが、元税務職員としては大いに違和感が
あります。

 

なぜなら、申告書などの提出をしないことは別にして、その記載内容について細かく見ないのが
税務署の通例だからです。すなわち、

書類は最低限の内容を記載して出していれば原則問題とせず、
細かく検討しない

というのが国税の実務の慣例ですから、記載内容に厳しいというのは、非常に違和感があるのです。

 

この背景は、おそらく

国外財産調書という新しい資料を導入したことによるインパクトをアピールしたい

とともに、国外財産調書は相続税等の課税に非常に有用な資料ですから、

きちんと内容を書かないと痛い目に合う、という厳しさをアピールしたい

という上層部の意向があるのでしょう。

 

当然ながら、これらのアピールを裏付けるために、国外財産調書に係る調査事績が
今後大々的に宣伝されると見込まれており、先日も非常に大きなニュースになっていました。

 

このように、国税に都合のいい数字やニュースを打ち出したり、都合のいい数字を
(嘘でない範囲で)作り出したりするのは国税の王道です。

 

おそらく、今後も国外財産調書の税務調査の実績数などが報告されると思われますが、その数字を
見て驚いて、

記載内容を充実させなければと思うだけでなく、その裏側にある意図を読み取る必要が
ある

のです。

 

必要以上の情報を出さない、というのは税務調査の鉄則です。法律で求められている以上の内容を
記載する必要はないわけですから、

どこまで書くべきか、そして記載内容の根拠はどこにあるのか

きちんと確認する必要があります。

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール
は以下のサイトからどうぞ!!

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http://nnp.y-ml.com/cs/Daily/1043/2087

 


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