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刀剣について:其の16(左近将監長光)

2019年03月29日

おはようございます! 
 
金曜日、リラックス担当、顧問の坂入です。 
 
 
<TZC106>刀剣について:其の16 
 
 
(15)備前の国:左近将監長光「佐々木小次郎の物干し竿」 
 
 
 「左近将監長光」あまり聞きなれない刀工です。「備前長船長光」 
 
と言った方が時代劇フアンには馴染みがあるでしょう。 
 
 
 特に有名なのが、宮本武蔵と巌流島で果し合いをして敗れた「佐 
 
々木小次郎」が背負っていた長刀「物干し竿」が、この「備前長船 
 
長光」だったことでしょう。 
 
 
刀身部分だけで三尺の長剣だったとも言われています。 
 
 
「長光」は、備前の国(岡山)に生まれ、父「順慶長光」も含めた代々 
 
の刀工の家柄でした。正応年間の刀工だったと伝わり、文永五年の 
 
元寇の余韻が残り、再来襲が予想され世情騒然とした時期でもあり 
 
ました。武具:武器の需要が急増した時期でもあり、当然に合戦を想 
 
定した実践に即した武器が求められたことは想像できます。 
 
 
 父の「順慶」は、古刀期の刀工で、その作刀の多くは現存し、「国宝: 
 
大般若長光」を始めとする多くの逸品が残っていますが、決して長い 
 
太刀ではありません。大般若長光自体は「二尺四寸強で、茎がわずか 
 
に磨り上げられた跡が窺えるだけです。 
 
 
 それなのに、小次郎の「物干し竿」は三尺の大太刀でした。来一族の 
 
様に、元寇に備えて大量に作刀に励んだわけでもなく、古刀期本来の 
 
太刀姿である「佩刀用」の大太刀となっていても当然だったとも考えら 
 
れています。 
 
 評価 ⇒1800万円~ 
 
 
      31.3.29  坂入 拝 
 
・・・来週は「美濃の国の志津兼氏」です。・・・・ 

みつかる