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東京税経メルマガ



税務調査手続きは守られるとは限らない(2017/03/02)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百九回目。

 

テーマは、

「税務調査手続きは守られるとは限らない」です。

 

以前相談を受けた事案の話。その事案、

1 税務署が税理士に事前通知の連絡をしたが、税理士が折り返しの
電話をしないなど、日程調整がうまくいかなかった

2 税務署はいつまでも日程調整ができないため、税理士に無断で
納税者の事務所に臨場し、納税者本人に調査官が直接事前通知を行った

 

というものです。

法律上、税務調査を実施する前は、調査官は税理士か納税者に税務調査で
準備する資料や日程をあらかじめ連絡しなければならないとされています。

 

この連絡ができない以上は調査ができない、ということで直接納税者に
事前通知をしたのですが、税務調査で納税者を守るとしている税理士としては、
メンツが丸つぶれということで、何とか国税に抗議できないかと相談を
受けたのです。

 

実際のところ、いきなり国税職員が会社に来れば、税務に詳しくない納税者としては
非常に怯えます。加えて、この事例では、調査官が早口で事前通知事項をまくしたてる
ため何を言っているのか聞き取れなかったという問題もありました。

 

このため、税務署には精神的な苦痛があったと抗議したのですが、

法律の文言として事前通知は電話で行うことは要求されていないから、
いきなり納税者の会社に臨場しても違法性はない

と説明されました。法律云々ではなく、常識として問題があると抗議しているのですが、
法律に書いていなければ問題がない、というのが国税の理解であるようです。

 

平成25年に、今まで国税が適当にやっていた税務調査手続きについて、法律上明確に
することを目的に税務調査手続き法制化が実現しました。

 

法制化されることで、納税者保護につながる、という目的があったのですが、この趣旨とは
異なり、税務署は

法律の抜け道を突くような税務調査を行う

ことがあります。

 

納税者を保護するための税務調査手続き法制化であるにもかかわらず、法律にある手続きを
行うのは面倒極まりないため、国税は出来る限り手間を省こうとします。

 

結果、事前通知は電話で行うといったような細かいところまで法律は決めていませんので、
法律に書いていなければ大丈夫、という認識があるのでしょう。しかし、

これでは法制化された意味は全くない

と言わざるを得ません。

 

税務調査手続きを法制化することの効果として言われることは、

納税者の予見可能性を高める

ということです。事前に用意すべき資料などを連絡してもらえば、税務調査に準備する
手間が少なくなりますから、予めなにを用意すべきかわかるように、国税が連絡する
こととされているのです。

 

言うまでもなく、早口でまくりたてるような事前通知では、

あらかじめどのような税務調査が行われるか、冷静に判断することは不可能

です。

 

となれば、法律の文言で「早口でまくり立てた事前通知は許されない」と書かれていない
とは言っても、やり方としては正しくありません。

 

加えて、「電話で事前通知しなければならない」と書かれていないとは言っても、
国税職員がいきなり会社に臨場するだけで精神的なプレッシャーを受けるわけですから、
このような事前通知は常識としてはやるべきではありません。

 

困ったことに、このような常識があるにしても、

それを明確に主張する術がない

のが現実です。

 

というのも、

国税が税務調査手続きの法制化に違反しても、罰則がない

からです。法律はあるけど罰則がないため、正面から国税の非を問うことが
できないのです。

 

このため、

法律にある税務調査手続きと矛盾する

といった苦情を言うことはできても、最終的には税務署の判断を承服せざるを
得ないことが通例なのです。

 

結果として、税務調査手続きの法律をみて、問題がありそうな調査がなされたと
しても、その見直しを税務署に求めることは極めて困難なのです。

 

このように、ルールが法律で明確に定められたとは言っても、納税者が権利を主張
するための明確な実効性がないのが手続き法制化です。

 

となれば、私たちが税務署に主張すべきは、手続き法制化の趣旨である「予見可能性」であり、
是非を判断する上で必要になる「常識」でしょう。私はよく、

こんないい加減な連絡では、「予見可能性」がないから、
もっと細かくかつ正確な連絡をしてください!

とクレームを言っています。

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール
は以下のサイトからどうぞ!!

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