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東京税経メルマガ



審理担当は出世しないという現実( 2017/02/23)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第百八回目。

 

テーマは、

「審理担当は出世しないという現実」です。

 

前回、審理担当という国税の職種につき紹介いたしました。

 

この審理担当というポストは、唯一法律に詳しい部署であり、税務署では非常に
重要なものです。にもかかわらず、

極めて出世しづらい部署である

という現実があります。

 

この理由として、あるOB税理士から聞いたところによると、国税の人事として、

審理担当に長く職員を配置したままにしない

という方針が影響しているようです。

 

審理担当は法令の審査を行う役職である以上、法律に詳しい税務職員という極めて
希少価値の高い存在です。

 

このため、審理経験が豊富になればなるほど、

税務署の内情にも、法解釈にも詳しい

という特異で民間のニーズも大きい人材でもありますから、中途退職して民間に転身する、
という審理経験の豊富な職員がかなり多いとのことです。

 

実際のところ、ある大規模税理士法人の中には、

審理担当や、主税局(財務省で税法を作る部署)の職員が
天下りしていることが多い

という印象があります。

 

となれば、国税の上層部からすれば、

お金と時間をかけて法律に詳しくなるように育てたにもかかわらず、
裏切られる

という忸怩たる思いがあるのでしょう。このため、民間に逃げられる
審理に長く職員を置いたままにしないように措置しているようです。

 

長く置かないという面から、問題になることですが、

審理担当が税務署内部で持つ力は年々低下している

と言われており、結果として出世しづらいポストにもなっていると耳にしています。

 

従来は、審理担当が法律を知らない税務調査担当よりも大きな力を持っていたため、

法律的には疑問が残る強硬的な課税にかなりストップがかけられていた

と言われています。

 

しかし、近年はその逆になり、

法律を知らない税務調査担当が節税をけしからんと判断する
そのけしからん節税を否認するため、法律的に何とか否認できる理屈を作るよう
審理担当に指示する

といった実務の流れになっているようです。本来は、法律を知らない調査官の
強硬的な課税に待ったをかけるべきであるにもかかわらず、むしろ

強硬的な課税を推し進める

ために審理の知恵が使われているわけで、結果として稚拙なロジックで課税される
税務調査も近年はよく見られます。

 

長く置かない、かつ出世等にうまみがないとなれば、当然審理担当者のスキルは
育ちません。

 

このため、ただでさえ法律面が弱い国税のレベルがさらに下がり、常識では考えられない
ような課税処分も行われるという悪循環につながっていると考えています。

 

ところで、私が退官する前後において、国税庁が「審理事務の充実」という方針を立てた上で、
「専攻科」と言われる選抜形式の研修を創設しました。

 

この研修は、「優れた学識を持つ大学教授、法曹関係者や、実務経験豊富な国税庁内の職員」が
講師として指導するようで、今後は審理の復権も見込まれるのでは、とも考えられています。

 

しかしながら、この研修の選抜形式の大前提には、

税務署長等の幹部職員の推薦がなければ、そもそも選抜試験も受けられない

という残念な事情があります。

 

幹部職員は、法律に詳しい職員を推薦するかと言えば必ずしもそうではありません。ゴマすり
で人事が決まるように、

人当りのいい職員を推薦することが通例

なのです。加えて、審理担当は法律に詳しいというプライドがありますので、
あまり上司にゴマをすりませんから、上司受けもあまり良くないことがほとんどです。

 

結果として、

「審理事務の充実」に資する法律に詳しい職員が、専攻科という「審理事務の充実」を
高める研修を受講できるとは限らない

という残念な結末になることが通例です。

 

このため、

法律を知らない調査官に対し、法律的に反論して納得を得る

という税務調査の理想はまだまだ道半ばと考えています。

 

それではまた来週!!

 

追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール
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http://nnp.y-ml.com/cs/Daily/976/2087

 


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