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東京税経メルマガ



借地権課税と税務調査(2016/09/29)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第八十八回目。

 

テーマは、

「借地権課税と税務調査」です。

 

国税を退官して、税理士事務所で働くようになってから感じる違和感
ですが、

税理士は非常に借地権を気にする

という印象があります。

 

同族会社に多いのですが、

社長が持つ土地を会社に貸す

という場合、会社は借地権を原則として認識する必要があるとされています。

 

土地を他人に貸す場合、借地権を認識します。この借地権として、権利金を貰うことが
ありますが、社長が自分の会社に土地を貸すのに、権利金を取ることは原則ありません。

 

しかし、借地権を認識するとされていますので、建前としては、

他人に土地を貸す場合にもらうべき権利金のやり取りを、会社と社長が行った

として税金が課税されることになります。土地を貸す場合の権利金は、非常に高額な
ことが通例ですので、借地権の課税がなされると、大きな税金が課税されることから、
税理士は非常に神経質になっているのです。

 

確かに、法令や通達によれば、借地権については大きな課税問題になりかねない規定が
多数設けられていますが、現職時代の経験を申しますと、

税務署の資産税担当を除き、借地権について課税することはもちろん、着目することも
ない

というのが実情です。借地権の法律は難しいですし、そもそも相続税などの資産税で
問題にすることが多いですから、法人税や所得税の担当は、ルールも知らなければ、
問題にしなくても大丈夫、くらいの感覚でいる者が多いです。

 

その他、借地権の規定をご覧いただくとわかりますが、更地の6%もの年額賃料を取らなければ、
原則として借地権の課税問題が生ずる、とされています。この更地の金額は時価評価した金額、
とされています。

 

時価は誰にもわかりませんし、公示価格等を調べるのも手間がかかる作業ですので、調査官としても、
あまり適用したくない、という本音もあるのです。

 

何より、6%もの年額賃料を取る必要がある、とされていたとしても、それは通達で決まっていることです。
通達は納税者を拘束しませんから、通達通りの課税を行うとすれば、納税者に法律ではない通達で課税する
ことを納得させる必要があります。

 

このような手続きは大変ですから、財産評価に厳しい資産税担当の税務調査を除き、借地権の問題はスルー
される傾向がある、というのが正直なところと考えています。

 

ところで、社長が会社に土地を貸す場合、特例として

経営者と同族会社が連名で「無償返還に関する届出書」を提出することで、
6%もの年額賃料の支払いがなくても、借地権の課税を行わない

とされています。

 

この、「無償返還に関する届出書」は、土地の賃貸借期間が終了すれば、きちんと借主(同族会社)が
貸主(経営者)に無償で借地権を返還する、という旨の契約書を添付して借主と貸主でその旨を税務署長に
申し出る書類です。

 

巷では、この届出書を出さない限り課税問題が生ずるため、出しておかないと大変なことになると言われて
いますが、

私が勤務していたのが東京国税局管内の税務署では、参考資料程度の管理しかされていなかった

のです。つまり、この届出書の提出がなくても、借地権課税をされるとは限らず、少なくとも私の
現職時代には耳にしたことはありません。事実、ある著名なOB税理士も、同様に借地権の課税事例はほとんど
ないと断言しています。

 

こういうわけで、借地権の課税問題はほとんどスルーされる、といった印象があります。しかし、国税は課税できる
手段を減らしたくないため、法令や通達の見直しをしようとしません。

 

となると、現実問題として課税されることはほとんどないと言っても、課税される可能性はあるため、今後も借地権の
課税は注意しなければならない、という不安定な事態が現実となっています。

 

厳格に課税するなら仕方ないとして、調査官の能力的に税務調査で重視しないのであれば簡略化する、といった見直しを
期待したいところですね。

 

それではまた来週!!

 

追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール
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http://nnp.y-ml.com/cs/Daily/772/2087

 


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