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東京税経メルマガ



判例は結論ありき?(2016/09/22)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第八十七回目。

 

テーマは、

「判例は結論ありき? 」です。

 

公平に審議しているはずの裁判所が出す判例は、
結論ありき。

こんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。

 

現職時代、研修で民法の講座を受講していた時、判決の内容が論理的にしっくりこなかった
ので、司法試験受験経験者である同期に判例の読み方を尋ねた際、冒頭の言葉が返ってきました。
売買や賃貸借などの契約について取り扱う民法の判決においては、

まず勝たせる側を決めてから、論理を付す

というのが普通のようで、論理的にどちらが正しいかが争われることは
決して多くないということでした。

 

この点、税法も同じです。

税務判決を読んでいくと、裁判官の結論は最初から決まっているのではないか、と思われるものが
多いことに驚かされます。

・ 常識的な解釈からは信じられないような解釈が、判決文において示されて
納税者敗訴とされる

・ 税務調査においては100%是正されるような、あからさまな個人的経費の漬け込みを問題なしと
する

こんな、論理的に物事を判断してもその結論に至らず、結論が決まっていなければこのような判断は
できない、と思われるような判決が多数見られます。

 

裁判官も税法には詳しくない、と言われますので、誤った見解を導いてしまったのか、と考えていました。
しかし、裁判においてはグレーゾーンに当たる問題に対しても、はっきりと白黒をつける必要がありますので、

どちらに分があるかまず判断した上で、結論から判決内容を導く

といった流れにならざるを得ないと考えています。

 

とりわけ、グレーゾーンが大きく、難しいと言われる税法については、なおさらこの傾向が強いのでしょう。

 

このように考えると、税務訴訟で納税者がほとんど勝てない理由も見えてきます。

国家権力を背景にした税務署は、提示できる証拠の質量ともに勝っていることが常である
裁判所も税務署と同じ公的機関であるため、身内意識で納税者よりも税務署をを勝たせてしまう傾向が強い

このような否定しがたい事情があります。

 

こういうわけで、最高裁判例など特別なものを除けば、判例があるからと言って必ずしもその判例が示した通りの
取扱いがなされるとは限らない、といった指摘がなされます。事実、税務署も「実に個別的な案件」などといって、

自分に不利な判例は基本的に無視する

傾向があります。

 

ただし、こと税務調査においては、自分の都合のいい判例は、どんどん活用して問題がありません。といいますのも、

交渉相手である調査官は税法に詳しくなく、判例についてはもっと知らない

という状況にあることに加え、

基本的には修正申告の提出という納税者の反省に促す形でしか、税務調査は終了できない

からです。

 

納得できなければ修正申告を提出する必要はありませんので、一つでも反証があればその説明を調査官に求めることで、
修正申告を拒否することができます。

この反証のために判例は使えますし、判例などほとんど調査官は知りませんので、なぜこの判例が税務調査の根拠に
ならないのか、まともな説明をできる人も多くありません。

 

実際のところ、国税も、

都合のいい判例だけ税務調査で使えばいい

という考えで税務調査を行っているように思われます。

 

情報公開した国税のマニュアルを見ますと、例えば重加算税の賦課決定については、「隠ぺい又は仮装」の意図が必要、
とする識者も多いにもかかわらず、意図が不要とされた判決を広く引用し、調査における納税者への説得材料として
使うよう指示しています。

 

同じかそれ以上、隠ぺい又は仮装の意図が必要、とする判例はあるのですが、それはあまり記載されていません。
書いてしまうと、

隠ぺい又は仮装の意図の立証を国税がする必要があり、仕事が大変になるから

です。

 

国税としても、このようなスタンスで自己の正当性を主張しようとしている以上、私たちも証拠となる判例を主張し、
税務調査から身を守るべきなのです。

 

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

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