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東京税経メルマガ



弁護士必要経費訴訟は個別案件なのか? (2016/09/01)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第八十四回目。

 

テーマは、

「弁護士必要経費訴訟は個別案件なのか? 」です。

 

個人の方が法人より経費が厳しい

こんな話を耳にされた方もいらっしゃるかと思います。
というのも、

個人の場合には、業務に直接必要な経費しか、
経費として認められない

このような取扱いがなされているからです。

 

この点、税理士の間で非常に大きな関心があった事件があります。
弁護士の必要経費に係る訴訟です。

この判決においては、

「業務に直接必要な経費」だけではなく、
「業務に必要な経費」が必要経費となる、

という従来の通説とは異なる判断がなされ、先日納税者勝訴で確定しました。

 

法人の経費である「損金」は、

業務に関して生じたものはすべて経費になる

ため、個人の経費は法人よりも小さいと国税が説明していましたが、
この判決では通説が否定されているわけで、今後必要経費の範囲は大きく変わると言われています。

 

ところが、ある税務雑誌においては、

弁護士必要経費訴訟は個別案件につき、従来の実務には影響はない

というのが国税の見解とされています。実際のところ、つい先日も、

司法書士が支出したロータリークラブの会費

について、「業務に直接必要な経費」に該当しないとされました。
このため、

今後とも、業務に直接必要な経費だけが個人の経費

と考えなければならないのが正直なところです。

 

ところで、法律を読むと、必要経費の要件としては、

「業務に直接必要」という要件は付されておらず、
「業務に必要な経費」が必要経費とされている

のです。つまり、法律を正確に読むと、

通説は正確なわけではなく、むしろ弁護士必要経費訴訟の判決が
正しい

のです。言い換えれば、

誤った通説が流布している

ということになります。

 

なぜ、このような誤った理解がなされているのか。それは、通説が成立した
背景を考えてみると、よく分かります。

法人とは異なり、個人事業主は、

私的な経費である生活費を、必要経費として申告してしまう
リスクが大きい

という事情があるからです。

 

税務調査において、生活費だから経費にはならない、と是正ができればいいですが、
私的な経費か否か、その判断はかなり主観的な要素が大きいです。

このため、国税職員がそれを是正すると、極めて大変なのです。

 

このことを踏まえ、

「業務に直接必要」という厳しい要件を加えることで、税務調査で
是正をやりやすくしたのが、通説の背景にはある

と思われます。

 

本来であれば、裁判所も法律だけに従った判断をするべきですが、

国税を勝たせた方が都合がいい

こともあって、「業務に直接必要」な経費が必要経費になる、といった見解が
通説となったと考えています。

 

しかしながら、税金の世界はすべからく法律に従うべき、という大原則があるわけで、通説が正しく、
先の弁護士必要経費訴訟は個別案件で実務に影響を及ぼさない、という国税の見解には大きな疑問があります。

 

通説を活かしたいのであれば、法律を改正すればいいだけの話であり、改正も行わずに国税が通説に固執する
理由は、法改正が難しい、といった事情以外には、残念ながら見えてきません。

 

 

それではまた来週!!

 

追伸、

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