お気に入り頂けましたら、ぜひ本メルマガをご友人やお知り合いの方へご紹介くださいませ。
東京税経メルマガ



確認書という一筆(2016/08/18)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

 

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

 

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

 

 

 

それでは、第八十二回目。

 

テーマは、

「確認書という一筆」です。

 

去る平成23年12月、非常に興味深い国税不服審判所の裁決事例が
ありました。この事件、川崎汽船事件と言われるもので、税理士の中では
大きな話題になったものです。

 

川崎汽船事件は、大阪国税局の税務調査が威圧的・高圧的なものとして、
違法とされた事例です。内容を見ると、

1 質問事項に対する調査結果をまとめた回答書面を提示すると、調査担当者は
「この内容は違うじゃないか」と言って怒り出し、怒鳴り続けた
2 調査を受けていた際、隣の部屋では別の会議が開かれていたが、調査担当者の
怒鳴り声があまりに大きくて、途中で会議室を変更した

 

ヤクザと全く変わらない話で、よくもこのような違法な税務調査を実施したものだ、
とあきれ返るばかりですが、

税務調査の進め方に少々問題があっても、裁判所は国税に問題はないと判断していた

事例が多かったですから、この事例が非常に大きなインパクトがあったのです。

 

国税にとっても、この事例は大きく反省せざるを得なかったようで、一筆等の文書を
納税者から提出される場合の取扱いについて、慎重な対応を求めるマニュアルを作成しています。

 

このマニュアルでは、悪名高い「一筆」について、その文書のタイトルを「確認書」としています。

従来、一筆と言えば、

「不正をしました。申し訳ありません」といった反省の文言
「今後適正な申告に努めますので、青色申告の取消しは勘弁してください。」といった温情を求めるもの

が中心でした。言うまでもなく、

国税のリスクヘッジ

のために、こんな屈辱的な内容を書面で書かせていたのであり、

事前に国税職員が手書きして、その通り書け

と命令していたのが真実なのです。

 

しかし、このマニュアルでは、一筆をあくまでも「事実関係の確認を求める書類」と位置付けたわけで、

事実に関することは書かなくていい

ことはもちろん、

納税者が強制されて提出するものではなく、任意に提出するもの

であることも明確にされています。

 

このマニュアルの内容について、きちんと調査官が理解しているのであれば、何でもありの一筆は
当然に少なくなる、と考えられます。

事実、一筆だけを証拠に税務調査の決着を図ることは、このマニュアル上、厳重に注意されており、
この点からは一筆そのものが少なくなるように思われます。

 

その他、このマニュアルが川崎汽船事件という、威圧的・高圧的な税務調査を実施したことの反省から
作られたものですから、納税者の意図に反する誘導的な記述になっていないか注意するよう、指示が
なされています。

 

特に、従来、一筆の大きな問題となっていたのは、事実に反して、

「仮装」や「隠ぺい」など税務署に有利な文言を紛れ込ませる

ことでした。仮装や隠ぺいをしました、とすれば、

法律上、重加算税というペナルティーの要件を満たす

ため、敢えて入れていたのです。

 

しかし、このような文言は税法の専門用語であり、一般納税者が使う用語ではありません。
このような用語を使わせたとなれば、納税者に強要している、誘導的な記述、と見られても
仕方がありません。

 

となれば、このような文言を書くように指導されることも少なくなるはずで、結果として

自己に不利益の生ずる一筆は少なくなる

と考えられます。

 

しかし、このような期待とは裏腹に、

不利益な供述を強要する一筆はまだまだ多い

という印象があります。

 

この理由として、調査官の能力が大きく低下していると言われるにもかかわらず、
処分の理由を法律的に明確化しなければならないという「理由附記」が義務付けられている
からです。

 

一般的な調査官の能力では、理由附記ができませんから、

リスクヘッジとして、有利な言質を取っておくべき

と考える傾向があると考えられます。

 

それに加えて、

このようなマニュアルを正確に理解している調査官は少ない

と考えられます。実務に追われて十分な確認をする暇はないですし、
内規を読む手間を嫌いますから、存在そのものも把握していない調査官も
多く存在します。

 

ただし、ありがたいことに

このマニュアルは情報公開されている

ため、一筆を強要される場合には、ぜひ反論の資料として提出しましょう。

 

それではまた来週!!

 

追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール
は以下のサイトからどうぞ!!

↓↓↓

http://nnp.y-ml.com/cs/Daily/703/2087

 


===========================================================
東京税経グループ
公式ホームページ → http://www.tokyozeikei.jp/
Facebookページ → http://www.facebook.com/tzc.group
メールマガジン購読 → http://nnp.y-ml.com/form_if.cgi?id=Daily&u=