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東京税経メルマガ



建物を簿価で譲渡するなど危険極まりない(6/23)


おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第七十三回目。

テーマは、

「建物を簿価で譲渡するなど危険極まりない」です。

不動産を持っている個人の税金対策でメジャーな手法として、

所有型法人スキーム

と言われるスキームがあります。

個人事業主が法人を作ると節税になる、という話は
有名ですが、このスキームはこの法人化を応用したものです。

まず、法人化するとなぜ節税になるのか、そこを押さえて
いただきたいですが、それは大きく2つあります。

1 親族を役員にすることで、所得を分散できる
⇒ 個人は累進課税で所得税がかかりますので、複数の人で
分散できれば、その分税率は下がります

2 法人は原則として相続税がかからないため、資産を
法人に移すと相続税がかからない
⇒ 法人の株式には税金がかかりますので、その分
対策は必要ですが、個人が持つよりはるかに税金は
小さくなります

所有型法人スキームは、これを発展させて、

1 法人を作る
2 土地と建物のうち、建物だけ法人の所有にする
2 底地は個人が所有する

というスキームをとります。

法人に持たせた方が相続税は下がるのに、なぜ建物だけ持たせるかというと、

土地と建物の両方を移すと、法人への譲渡所得が大きい

からです。法人に資産を移すと、その際原則として譲渡所得税が課税される
のですが、土地は別にして、建物については

建物を法人に移転しても、税金はかからない

と言われています。つまり、譲渡所得税がかからず、建物は法人に移転できるので、
建物だけ動かしましょう、というのが所有型法人スキームなのです。

少し脱線しますが、土地については、

相続税法上いろいろな特例がある

ため、個人で持っていても、評価を下げるといったことは可能です。

なぜ、建物には譲渡所得税がかからないか。それは、

建物の時価は移転する時の簿価でいい、という見解があるから

です。税法上、資産を他人に移転する場合、その価額は

時価でならない

とされています。この時価ですが、建物については、先の通り
簿価でいいと言われており、簿価と時価が同じであれば、譲渡所得税
は発生しないことになります。

この見解ですが、著名な弁護士やOB税理士が言っていますので、
世間では広く採用されています。

しかし、この考えは非常に危険です。

といいますのも、この建物の時価を簿価でいい、という考えの背景には
法人税法の評価損の通達で、

建物の時価は簿価に等しいと明記されているから

です。

著しく時価が下がった場合、特例として評価損の計上が認められる
ことがありますが、その取扱いについて決めた通達ですので、

譲渡所得税について適用されるとは限らない

ものなのです。このため、この通達を背景にして、時価と簿価は等しい、
というのはそもそも無理があります。

何より、再調達価格とは文字通り、建物を移転する段階における建物の
取引時価を意味しますが、移転する建物と100%同一の物件などありません。

このため、あくまでも割り切りとして、評価損を計上する場合には、簿価を
時価でいい、と国税が認めているに過ぎないのです。

実際のところ、時価の問題は、一物百価など言われる通り、結論を出すことがで きない
デリケートな問題です。このため、簿価=時価で大丈夫、というのは非常に危険 です。

何より、

国税は自分のいいように時価を解釈する

傾向があります。となれば、建物の時価は簿価ではない、
といった指摘は今後十分にあり得ます。

所有型法人スキームに限らず、個人が持っている建物を法人に売ったり、
親族に売ったりすることが実務では多くあります。

この場合、建物の時価=簿価、と安易に考えると痛い目に会うことが
ありますので、慎重に対応してください。

それではまた来週!!

追伸、

わたくし松嶋洋の詳しいプロフィール
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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